貸し倒れの法律と税金

“貸倒れ”と聞いただけでいやな言葉ですが、長年経営をされてきた方なら一度は経験されたことがあるのではないでしょうか?貸倒れが極力発生しないようにする与信管理(売上債権の管理)の方法はまた別の機会に書くとして、今回はその貸倒れの税金と法律についてご紹介したいと思います。

 まず売上債権(売掛金や受取手形)を貸倒れとして損金処理できる場合は、主に

  • 1.会社更生法等の法律の規定による債権切捨ての決定(要は法的に倒産が決定し、返ってこない額が確定した状態)
  • 2.内容証明郵便により、相手方に債務免除の通知をした場合

などが挙げられます。

 これから3月決算法人は申告の時期を迎えることとなりますが、長期間回収できずに残っている債権がある場合には、これらの方法で落としてしまうことも検討されてはいかがでしょうか?(他にも落とせる場合もありますので、一度ご相談ください。)

 上記のように倒産により債権の切り捨てが決定した場合や、こちらが放棄した場合には、当然に債権の権利が消滅しますが、それ以外にも債権の権利が消滅してしまう場合があります。それが“時効”です。

 通常の債権(貸付金など)の時効は10年で、売掛債権の時効は“2年”です。したがって、債権の回収を確実に行うためには、債権が時効にならないようにする必要があります。お客様からこんなことをよく耳にします。「請求書は毎月出し続けているので、大丈夫です。」

 しかしこれは誤りで、請求書の発行だけでは時効の中断とはなりません。時効を中断させる方法には、次のようなものがあります。

  • 1.相手に債務の存在を承認してもらう
      例えば、
    得意先に売掛金の残高確認書を送付し、署名捺印のうえ返送してもらう。
    債務の一部を弁済してもらう(仮に1000円でも取引先に支払ってもらえれば、債務の存在を承認したことになります)。
  • 2.内容証明郵便を送る
  •  ただし、6月以内に裁判上の請求をしなければ、当初の時効期間で時効が成立するので注意が必要です。

 時効期間を経過していても、取引方がお金を支払ってくれた場合は、当然お金を受取ることは出来ますが、せっかくの売上債権が時効によりパーになってしまわないためにも、上記の手段で、払うべきものは払ってもらいましょう!